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河野 秀俊
no journal, ,
ゲノム中のヌクレオソームポジションが次々と決定され、そのインフォマティクス的な解析から、ヌクレオソームのポジションやその破壊,再構築が遺伝子の発現制御に密接にかかわっていることが明らかになってきた。また、ヌクレオソームのポジションを変化させるリモデラー因子が複数存在することが明らかになってきた。さらに、DNAの修飾,ヒストンの修飾及びヒストンバリアントとヌクレオソームの安定性の関係がエピジェネクスの観点から注目されている。われわれは、計算機シミュレーションを用いて、ヌクレオソーム形成やそのポジション変化の分子機構やDNAやヒストンの修飾、ヒストンバリアントがその分子機構にどのような影響(変化)を与えるか探っている。タンパク質や核酸及びその複合体の分子動力学シミュレーションは、カバーできる時間範囲は数十ナノ秒からマイクロ秒と小さいものの、詳細な分子運動情報を得ることができる。また、間欠的に起こる分子状態の変化を効率的にシミュレートする計算手法が開発されてきた。われわれはそれらを駆使して、ヌクレオソーム構造の形成やリモデラー因子の役割を自由エネルギーの観点から明らかにしようとしている。これまで、4塩基対すべての塩基配列パターン(136通り)について分子動力学計算を行い、DNAの塩基配列とその力学特性に強い相関があること、ヌクレオソームを形成しやすい塩基配列はヌクレオソームの構造に適合した力学特性を持つ塩基をうまく配置していること、DNAの力学特性と水和構造に強い相関があることなどを見つけてきた。本講演では、これらの知見と最近進めているヌクレオソームのポジション変化の自由エネルギープロファイル計算結果に基づいて、ヌクレオソームの構造形成について議論したい。
桑原 宏和*; 阿部 渉*; 鳴海 一成; 國枝 武和*
no journal, ,
極限環境耐性を持つクマムシの1種であるヨコヅナクマムシは、飼育が比較的容易であり、ゲノム解析が進んでいることから、耐性機構の分子生物学的解析に適している。ヨコヅナクマムシの成体は茶色を呈するが、大量の飼育を継続する過程で、これまでに茶色の色素を欠失したアルビノ変異体を単離した。今回はアルビノ変異体の極限環境耐性を野生型と比較した結果について報告する。乾燥耐性を調べるため、アルビノと野生型15匹ずつ相対湿度33.8%で2日間乾眠誘導し、給水後の復帰率を測定した。その結果アルビノは野生型と同様にほぼすべての個体が乾眠から復帰した。よって乾燥耐性は両者で同程度であると考えられる。次に放射線,紫外線耐性を調べるため、活動状態のアルビノと野生型15匹ずつに2, 4, 6kGyの線、10, 30, 60分間の紫外線を照射した後の生存率を測定した。その結果、野生型がすべての条件でほぼ100%生存したのに対し、アルビノ変異体は6kGyの線照射で約60%、紫外線30, 60分間の照射で約60%, 40%と生存率が顕著に低下した。以上の結果はアルビノ変異体の放射線,紫外線耐性が野生型よりも弱いことを示している。ヨコヅナクマムシの色素は放射線,紫外線耐性に寄与していると考えられ、紫外線の吸収や、放射線照射により発生するラジカルの除去などに関与している可能性がある。